1995年の登場以来、クロスオーバーSUVのパイオニアとして世界中で愛され続けてきたホンダ CR-V。
その洗練されたデザインと実用性の高さは、多くのドライバーを魅了してきました。
しかし、日本市場においては、時折ラインナップから姿を消す時期もあり、ファンにとっては最新モデルの動向が常に注目される存在です。
そして2024年、待望の新型CR-Vが日本の地に再び降り立ちました。
ただし、その姿はこれまでのCR-Vとは一線を画す、最先端技術を搭載した燃料電池自動車「CR-V e:FCEV」としての登場です。
これはホンダの革新性を示す象徴的なモデルであり、大きな注目を集めていますが、リース専用販売という形態でもあります。
一方で、海外、特に北米市場ではすでに6代目となる新型CR-Vがガソリンモデルやハイブリッドモデルを中心に人気を博しており、日本国内でも「e:HEV」と呼ばれるハイブリッドモデルの導入が2025年にも実現するのではないか、という期待の声が高まっています。
現在日本で展開されているCR-V e:FCEVの詳細から、海外で評価の高いガソリン・ハイブリッドモデルのスペック、そして待望の日本再導入に関する最新の噂、予想される価格帯、気になる7人乗り仕様の有無、さらには逆輸入という選択肢まで、CR-Vの「今」と「未来」を深く掘り下げていきます。
待望の復活!新型CR-Vフルモデルチェンジ【2025】の全貌
新型CR-V フルモデルチェンジは、単なるモデルチェンジではなく、ホンダの次世代戦略をも映し出す大きな変化を伴っています。
現在日本で体験できる最新型と、グローバルで展開されているモデルの姿を詳しく見ていきましょう。

新型CR-V e:FCEV 日本発売!特徴と価格
2024年7月19日、ホンダは新型燃料電池自動車「CR-V e:FCEV」を日本市場で発売しました。
これは、日本の自動車メーカーが市場に投入するモデルとしては初めて、外部からの充電が可能なプラグイン機能を備えた燃料電池自動車(FCEV)であり、ホンダの先進技術を象徴する一台です。
このe:FCEVの最大の特徴は、水素充填による長距離走行能力(一充填走行距離 約621km)と、家庭用電源などから充電できるプラグイン機能(EV走行可能距離 約61km)を両立している点です。
水素の充填時間は短く、日常の短距離移動は電気で、長距離ドライブは水素で、という柔軟な使い方が可能です。
充電はAC普通充電(SAE J1772コネクター)に対応し、6.4kWの出力であれば約2.5時間で満充電が可能。
AC100V電源からの充電にも対応していますが、急速充電には対応していません。
さらに、災害時などに役立つ外部給電機能(V2L)も備えています。
パワートレインは、ホンダとゼネラルモーターズ(GM)が共同開発した新世代の燃料電池スタック(最高出力92.2kW)と、駆動用モーター(最高出力130kW/最大トルク310Nm)、そして容量17.7kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせています。
この新しい燃料電池システムは、従来比でコストを3分の1に削減しつつ、耐久性を2倍に向上させている点も特筆すべき進化です。
ボディサイズは全長4805mm × 全幅1865mm × 全高1690mm、ホイールベースは2700mm。
乗車定員は5名です。
エクステリアでは、燃料電池車らしいクリーンさを表現するクリアレンズのLEDリアコンビネーションランプなどが特徴。
インテリアには、バイオ素材を使用したシートや、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」、コネクテッド技術「Honda CONNECT」などが搭載されています。
ただし、このCR-V e:FCEVは、主にFCEV普及に協力する自治体や企業、そして一部の個人顧客を対象としたリース販売のみとなっており、車両本体価格に相当するリース料金の目安は約809万円からと設定されています。
取り扱いディーラーも限定されています。
この価格設定と販売形態、そして依然として限られている水素ステーションのインフラ状況を考慮すると、e:FCEVは現時点では量販モデルというよりも、ホンダの技術力を示し、将来のカーボンニュートラル社会へのコミットメントを表明するフラッグシップ的な役割を担っていると言えるでしょう。
CR-Vという知名度の高いモデル名を冠することで、次世代技術への注目度を高める狙いも見て取れます。
新型CR-V e:FCEV 主要スペック表
スペック項目 | 詳細 |
---|---|
全長 | 4,805 mm |
全幅 | 1,865 mm |
全高 | 1,690 mm |
ホイールベース | 2,700 mm |
車両重量 | 2,010 kg |
乗車定員 | 5 名 |
モーター最高出力 | 130 kW (177 PS) |
モーター最大トルク | 310 N・m (31.6 kgf・m) |
FCスタック最高出力 | 92.2 kW (125 PS) |
水素タンク容量 | 109 L (前方53 L, 後方56 L) |
一充填走行距離 (水素+バッテリー) | 約621 km (WLTCモード) |
一充電走行距離 (EVのみ) | 約61 km (WLTCモード) |
価格 (リース) | 8,094,900円~ |
北米で話題!新型CR-Vのデザインとサイズ感
日本でe:FCEVが登場する以前、2022年には北米市場で6代目となる新型CR-V(2023年モデル)がデビューしています。
このモデルのデザインは、日本のe:FCEVのベースともなっており、今後の日本市場への展開を占う上で重要な存在です。
エクステリアは、近年のホンダ車に共通するデザイン言語を取り入れ、薄型のLEDヘッドライトと、大型で存在感のあるフロントグリルが特徴です。
水平基調のベルトラインと合わせて、伸びやかで力強い印象を与えます。
全体的に「ラギッド(頑丈)」でありながら「スポーティ」な雰囲気を高めたスタイリングは、多くのメディアで好意的に評価されています。
ボディサイズは、北米モデル(例:EXトリム)で全長約184.8インチ(約4694mm)、全幅約73.5インチ(約1867mm)、全高約66.2インチ(FF)/66.5インチ(AWD)(約1681mm/1689mm)、ホイールベース106.3インチ(約2700mm)となっています。
これは、日本でも販売されていた先代(5代目)の全長4605mm、全幅1855mm、全高1680/1690mm、ホイールベース2660mmと比較すると、全長、全幅、ホイールベースともに拡大されており、より堂々とした体躯を得ています。
特にホイールベースの延長は、後席の居住性向上にも寄与しています。
このサイズアップにより、新型CR-VはミドルサイズSUVとしてのポジショニングをより明確にしています。
ホンダの国内SUVラインナップにおいては、ヴェゼルの上にZR-Vが位置し、さらにその上にCR-Vが来るというヒエラルキーがよりはっきりしました。
一方で、トヨタ RAV4やハリアーといった競合がひしめくクラスに、より直接的に対峙することにもなります。
この大型化が日本の道路環境やユーザーの嗜好にどう受け止められるかは、今後のe:HEV導入時の注目点となるでしょう。

新型CR-Vの内装:上質感と使い勝手を両立?
新型CR-Vのインテリアは、エクステリア同様、最新のホンダデザイン哲学を反映しています。
北米モデルや日本のe:FCEVに見られるように、水平基調のダッシュボードデザインと、シビックなどでも採用されているハニカムメッシュ調のエアコンアウトレットが特徴的で、すっきりとした視界の良さも追求されています。
質感向上への注力も窺えます。
5代目CR-Vは日本市場において、価格に対して内装の質感が物足りないという指摘もありましたが、新型ではレザーシート(トリムによる)や、e:FCEVに見られるシンセティックレザーのステアリングホイール、高輝度メタル調フィルムを用いたパネルなど、上質な素材感がアピールされています。
北米のハイブリッド/スポーツ系グレードでは、シートやステアリング、シフトノブにオレンジ色のステッチが施され、スポーティな雰囲気を演出しています。
テクノロジー面では、デジタルメータークラスターや、7インチまたは9インチの大型タッチスクリーンディスプレイが用意され、Apple CarPlayやAndroid Autoはワイヤレス接続にも対応(上位グレード)。
ワイヤレス充電器や、最上位グレード(北米Sport Touring)にはBoseプレミアムサウンドシステムも搭載されるなど、現代のニーズに応える装備が充実しています。
CR-Vが伝統的に得意としてきた実用性も健在です。
広々とした室内空間、特に延長されたホイールベースの恩恵を受けた後席足元スペース、リクライニング可能なリアシート、そしてクラストップレベルの広さを誇る荷室(最大約2166リットル)は、ファミリーユースやレジャーシーンでの使い勝手の良さを約束します。
60:40分割可倒式のリアシートにより、荷物の量や形に合わせた柔軟なシートアレンジも可能です。
e:FCEVでは水素タンク搭載のため荷室フロアに段差が生じますが、フレキシブルボードによってフラットな荷室を作り出す工夫が凝らされています。
これらの改良点からは、ホンダが先代モデルのフィードバックを活かし、質感と先進性を高めることで、ハリアーなどの競合がひしめく市場での競争力を強化しようとしている意図が読み取れます。
新型CR-V パワートレイン解説:注目のハイブリッド
新型CR-V(6代目)の心臓部には、主に2種類のパワートレインが用意されています(北米市場基準)。
- 1.5L VTEC TURBOエンジン:
最高出力190馬力、最大トルク179 lb-ft (約243 N・m) を発生する直列4気筒ターボエンジンです。
これは先代から改良されたもので、CVT(無段変速オートマチック)と組み合わされます。
北米ではLX、EX、EX-Lといったベーシックから中級グレードに搭載されています。 - 2.0L e:HEV (2モーターハイブリッドシステム):
新型CR-Vの主力とも言えるのが、この第4世代に進化した2モーターハイブリッドシステムです。
最高出力145馬力/最大トルク138 lb-ft (約187 N・m) の2.0Lアトキンソンサイクルエンジンと、主に駆動を担う最高出力181馬力/最大トルク247 lb-ft (約335 N・m) のモーターを組み合わせています。
システム最高出力は204馬力に達し、力強く、そして非常にスムーズで静かな走行フィールを実現しています。
トランスミッションはE-CVT(電気式無段変速機)です。
北米ではSport、Sport-L、Sport Touringといったスポーティグレードや上級グレードに標準搭載されており、ホンダがこのハイブリッドシステムを重視していることが分かります。
日本への再導入が噂されているのも、このe:HEVモデルです。
駆動方式は、いずれのパワートレインでもFF(前輪駆動)と、電子制御式のリアルタイムAWD(四輪駆動)が選択可能です。
ただし、北米の最上位グレードであるSport Touring HybridはAWDのみの設定となっています。
ホンダが北米市場において、新型CR-Vの上位グレードにハイブリッドを標準設定している点は注目に値します。
これは世界的な電動化の流れに対応するだけでなく、ハイブリッドシステムがもたらす優れた走行性能と燃費性能を、CR-Vの主要な魅力として前面に押し出していることの表れです。
日本市場においても、環境意識の高まりやハイブリッド車への根強い人気を考慮すれば、もし再導入される場合、このe:HEVが販売の中心となる可能性は極めて高いと言えるでしょう。
新型CR-V 北米モデル パワートレイン比較表
項目 | 1.5L VTEC TURBO | 2.0L e:HEV (ハイブリッド) |
---|---|---|
エンジンタイプ | 直列4気筒 DOHC ターボ | 直列4気筒 DOHC (アトキンソンサイクル) |
排気量 | 1,496 cc | 1,993 cc |
エンジン最高出力 | 190 HP @ 6,000 rpm | 145 HP @ 6,100 rpm |
エンジン最大トルク | 179 lb-ft @ 1,700-5,000 rpm | 138 lb-ft @ 4,500 rpm |
モーター最高出力 | – | 181 HP @ 5,000-8,000 rpm |
モーター最大トルク | – | 247 lb-ft @ 0-2,000 rpm |
システム最高出力 | 190 HP | 204 HP |
トランスミッション | CVT | E-CVT |
駆動方式 | FF / AWD | FF / AWD |
北米搭載グレード例 | LX, EX, EX-L | Sport, Sport-L, Sport Touring |

新型CR-V ハイブリッド 燃費は?実力値を考察
SUVを選ぶ上で、燃費性能は非常に重要な要素です。
特に注目される新型CR-Vのハイブリッドモデル(e:HEV)の燃費について、現在公開されている情報からその実力を考察してみましょう。
北米仕様の6代目CR-VハイブリッドのEPA(米国環境保護庁)燃費は以下の通りです。
- FF (2WD): 市街地 43 MPG / 高速 36 MPG / 複合 40 MPG
- AWD: 市街地 40 MPG / 高速 34 MPG / 複合 37 MPG
これを日本の単位であるkm/Lに換算すると、複合燃費でFFが約17.0 km/L、AWDが約15.7 km/Lとなります。
市街地燃費が特に優れているのがハイブリッドの特徴です。
比較として、1.5LターボエンジンのEPA燃費も見てみましょう。
- FF (2WD): 市街地 28 MPG / 高速 34 MPG / 複合 30 MPG (約12.8 km/L)
- AWD: 市街地 26 MPG / 高速 31 MPG / 複合 28 MPG (約11.9 km/L)
ハイブリッドモデルは、ターボモデルと比較して、特に市街地走行において大幅な燃費向上が期待できることがわかります。
ただし、注意点もあります。
まず、EPA燃費と日本のWLTCモード燃費では測定基準が異なるため、単純比較はできません。
参考までに、日本で販売されていた先代(5代目)CR-V e:HEVのWLTCモード燃費は、FFで21.2 km/L、AWDで20.2 km/Lでした。
新型が日本で発売される際には、WLTCモードでの公式な燃費値が発表されるはずです。
また、カタログ燃費と実際の燃費(実燃費)は、走行状況や運転スタイルによって異なります。
米国の自動車メディア「Car and Driver」による高速道路での実燃費テストでは、AWDハイブリッドモデルが31 MPG(約13.2 km/L)を記録し、EPAの高速道路燃費34 MPG(約14.5 km/L)を下回ったという報告もあります。
一方で、先代e:HEVの日本での実燃費テストでは、WLTCモードに近い良好な数値を記録した例もあります。
これらの情報から、新型CR-Vハイブリッドは優れた燃費性能を持つことは間違いありませんが、日本での最終的な評価は、公式なWLTCモード燃費の発表と、実際の路上での実燃費報告を待つ必要があります。
それでも、ガソリンターボモデルと比較して、燃料コストを大幅に節約できる可能性が高いことは確かです。
新型CR-V 北米モデル 燃費比較表 (EPA基準)
パワートレイン | 駆動方式 | EPA燃費 (City/Hwy/Combined MPG) | 参考km/L換算値 (複合) | 参考:5代目 日本仕様 e:HEV WLTCモード燃費 (複合) |
---|---|---|---|---|
1.5L VTEC TURBO | FF (2WD) | 28 / 34 / 30 | 約12.8 km/L | – |
1.5L VTEC TURBO | AWD | 26 / 31 / 28 | 約11.9 km/L | – |
2.0L e:HEV | FF (2WD) | 43 / 36 / 40 | 約17.0 km/L | 21.2 km/L |
2.0L e:HEV | AWD | 40 / 34 / 37 | 約15.7 km/L | 20.2 km/L |
(注: MPGからkm/Lへの換算は目安です。WLTCモード燃費は測定基準が異なります)
安全性も進化!新型CR-VのHonda SENSING
現代の車選びにおいて、安全性は最も重視される要素の一つです。
新型CR-Vは、ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備し(北米仕様基準)、乗員だけでなく周囲の交通参加者への配慮も高めています。
Honda SENSINGに含まれる主な機能は以下の通りです(北米仕様およびe:FCEVの情報に基づく)。
- 衝突軽減ブレーキ? (CMBS?): 前方の車両や歩行者との衝突回避を支援。
- 路外逸脱抑制機能 (RDM): 車線逸脱を検知し、ステアリング操作やブレーキで抑制。
- アダプティブ・クルーズ・コントロール (ACC) <低速追従機能付>: 設定速度内で車間距離を保ち追従走行。
- 車線維持支援システム (LKAS): 車線中央付近の走行を維持するようステアリングを支援。
- 先行車発進お知らせ機能
- 標識認識機能 (TSR)
- 誤発進抑制機能
- 後方誤発進抑制機能
これらに加え、多くのグレードで以下の機能も利用可能です。
- ブラインドスポットインフォメーション (BSI): 斜め後方の車両を検知し、車線変更時の注意を喚起。
- 後退出庫サポート (Cross Traffic Monitor): 駐車場などで後退する際に、左右から接近する車両を検知。
- パーキングセンサーシステム: 車両前後の障害物を検知。
また、全方位の視界を確保するマルチビューカメラシステムや、e:FCEVで強調されている強固なボディ骨格など、基本的な衝突安全性能の向上にも力が入れられています。
これらの先進安全技術を幅広いグレードで標準装備するホンダの姿勢は、業界全体のトレンドとも合致しており、特にファミリー層にとってCR-Vの魅力を高める重要な要素となっています。
最新のADAS(先進運転支援システム)に期待される主要な機能が網羅されており、ドライバーの負担軽減と事故リスクの低減に貢献します。
日本発売は?新型CR-Vフルモデルチェンジ【2025】の最新情報と期待
新型CR-Vの魅力的なスペックや機能を見てきましたが、日本のユーザーにとって最も気になるのは「いつ、どのような形で日本で購入できるようになるのか?」という点でしょう。
新型CR-Vフルモデルチェンジの日本市場における現状と、今後の展望について、最新の情報と噂をまとめました。

新型CR-V 日本発売の現状:e:FCEVリース限定
まず、現時点(2024年後半)での公式な事実を確認しておきましょう。
日本国内で正規に販売されている最新型のCR-Vは、2024年7月に発売された「CR-V e:FCEV」のみです。
そして、このモデルはリース専用販売であり、ガソリンモデルやe:HEV(ハイブリッド)モデルは、現在のところホンダの国内ラインナップには含まれていません。
CR-Vは、初代から人気を博したものの、日本では4代目が2016年に販売終了。
その後、海外から約2年遅れて5代目が2018年に復活しましたが、2022年に再び販売を終了するという経緯を辿っています。
このように、日本市場でのCR-Vの歴史は、導入と撤退を繰り返してきた背景があります。
今回のe:FCEVによる「復活」は、これまでのガソリン車やハイブリッド車中心の展開とは異なり、ホンダの電動化戦略、特に水素技術への取り組みを示す象徴的な意味合いが強いと言えます。
しかし、高価なリース料金と限られた水素インフラという現実的な課題から、多くの一般ユーザーにとっては、より身近なパワートレインを搭載したモデルの登場が待たれる状況です。
この「e:FCEVのみ」という現状が、結果的にガソリン車やハイブリッド車導入への期待感を高める要因にもなっています。
ホンダCR-V ハイブリッド 2025年日本再導入の噂
そうした中、日本の自動車メディアを中心に、新型CR-Vのe:HEV(ハイブリッド)モデルが2025年にも日本市場に再導入されるのではないか、という情報が有力視されています。
複数の情報源によると、その導入時期は2025年の後半、「2025年冬」や「2025年中盤から後半」といった見方が示されています。
具体的な月としては「2025年10月」や「2025年12月」という報道も見られます。
導入されるモデルは、現在北米(アメリカ、カナダ)で生産・販売されている6代目CR-Vのe:HEVをベースとし、オデッセイやWR-Vのように、海外生産拠点で製造された車両を日本へ輸入する形(いわゆる逆輸入)になる可能性が高いとされています。
この再導入の背景には、いくつかの理由が考えられます。
まず、ホンダの国内SUVラインナップにおいて、ZR-Vと、より大型で上級なモデルとの間に存在するギャップを埋める必要性です。
かつてのCR-Vユーザーや、ミニバンのオデッセイなどから乗り換えを検討する層の受け皿としても期待されます。
また、商業的な観点からも、リース専用で高価なe:FCEVだけでは販売台数に限界があるため、より広範な顧客層にアピールできるe:HEVモデルの投入が不可欠と見られています。
この動きは、ホンダが2040年までに全製品を電動化するという目標を掲げる中で、現実的な市場のニーズに応えるための戦略的な判断とも解釈できます。
FCEVという最先端技術をアピールしつつも、当面の販売ボリュームを確保するためには、依然として需要の高いハイブリッドモデルを、たとえ輸入という形であってもラインナップに加えることが合理的というわけです。
これは、FCEVの普及にはまだ時間がかかること、そしてミドルサイズSUV市場における競争の激しさをホンダ自身が認識していることの表れと言えるでしょう。

新型CR-V 日本発売時の予想価格はいくら?
待望のe:HEVモデルが日本に導入されるとして、次に気になるのはその価格設定です。
過去、5代目CR-Vが日本市場で苦戦した一因として、価格設定が比較的高めだったことが指摘されています。
新型では、この点がどのように考慮されるのでしょうか。
複数のメディアによる予想では、新型CR-V e:HEVの日本での販売価格は、450万円~520万円のレンジになるのではないかと見られています。
この価格帯は、北米市場での価格設定がベースとなっています。
北米では、ハイブリッドモデルは「Sport Hybrid」が約34,700ドル、「Sport-L Hybrid」が約37,700ドル、「Sport Touring Hybrid」が約41,100ドルからとなっています。
これらを単純に円換算し、輸送コストや国内での仕様変更、利益などを考慮すると、500万円を超える価格帯になる可能性は十分にあります。
しかし、日本市場で成功するためには、強力なライバルとの競争力を考慮する必要があります。
特に、トヨタ ハリアーのハイブリッドモデルが約410万円~510万円という価格帯で人気を博していることを考えると、ホンダとしてもこれに近い価格設定を目指す必要が出てくるでしょう。
e:FCEVのリース価格が約810万円であることを考えると、e:HEVはそれよりも大幅にアクセスしやすい価格設定になることは確実ですが、輸入車となることによるコスト増を吸収しつつ、いかに競争力のある価格を打ち出せるかが、再導入成功の鍵を握ることになります。
5代目での経験を踏まえ、ホンダがどのような価格戦略をとるのか、正式発表が待たれるところです。
スポーティな「RS」登場?新型CR-Vへの期待
さらに、新型CR-Vの日本導入においては、スポーティな「RS」グレードが設定されるのではないか、という期待も高まっています。
この噂は、CR-Vの魅力をさらに広げる可能性を秘めています。
ホンダのラインナップにおける「RS」は、通常、標準モデルに対してよりスポーティな内外装デザインや、場合によっては足回りのチューニングなどが施されるグレードです。
ヴェゼルやフィットにもRSグレードが存在し、走りの良さやスタイリッシュさを重視するユーザーから支持されています。
CR-VにRSが設定される場合、予想される特徴としては、専用デザインのハニカムパターン・フロントグリルやRSエンブレム、ブラック基調のアクセントパーツ、専用デザインのアルミホイールなどが考えられます。
インテリアにも、RS専用のステッチや加飾が施される可能性があります。
パワートレインは、e:HEVモデルをベースとすることが有力視されています。
マニュアルトランスミッションの設定は考えにくいものの、専用のサスペンションチューニングにより、標準モデルよりも引き締まったハンドリング性能が与えられるかもしれません。
登場時期については、e:HEVの導入と同時期、あるいは少し遅れて2025年10月頃という情報もあります。
このRSグレードの噂は、ホンダが新型CR-Vを単なる実用的なファミリーSUVとしてだけでなく、より幅広い層にアピールしようとしている可能性を示唆しています。
標準的なSUVのデザインでは物足りないと感じるユーザーや、走りにもこだわりたいというユーザーにとって、RSは魅力的な選択肢となり得ます。
海外仕様のスポーティなトリム(北米のSport/Sport-L/Sport Touringなど)のデザイン要素を取り入れつつ、日本市場向けの付加価値として展開されることが期待されます。

新型CR-Vに7人乗りはある?過去モデルと比較
ファミリー層を中心に、SUVに3列シート・7人乗り仕様を求める声は少なくありません。
新型CR-Vに7人乗りモデルは設定されるのでしょうか?
結論から言うと、現在北米で販売されている6代目CR-V(ガソリン、ハイブリッド)および、日本でリース販売されているCR-V e:FCEVは、いずれも2列シート・5人乗り仕様です。
現時点では、6代目CR-Vに3列シート・7人乗り仕様が存在するという公式情報はありません。
ここで思い出されるのが、先代(5代目)のCR-Vです。
日本で販売されていた5代目CR-Vには、ガソリン車(1.5Lターボ)に限り、3列シート・7人乗り仕様が設定されていました。
ハイブリッドモデル(e:HEV)は5人乗り仕様のみでした。
このことから、新型(6代目)においても、もし7人乗り仕様が登場するとすれば、それはハイブリッドではなくガソリンモデルになる可能性が高いと考えられますが、そもそも6代目ではガソリンモデルの日本導入自体が現時点では不透明です。
また、ハイブリッドシステム、特にバッテリーの搭載スペースの関係で、3列目シートの設置が物理的に難しいという側面もあります。
したがって、2025年に導入が噂されているe:HEVモデルに関しては、7人乗り仕様が設定される可能性は低いと考えるのが自然でしょう。
5代目CR-Vの7人乗り仕様を愛用していたユーザーや、CR-VクラスのSUVで7人乗りを希望するユーザーにとっては、少し残念な情報かもしれません。
ホンダのラインナップでは、ステップワゴンやフリードといったミニバンがその受け皿となる可能性があります。
新型CR-Vを逆輸入・並行輸入で手に入れる方法
「2025年の公式導入まで待てない!」
「どうしても海外仕様のガソリンモデルが欲しい」
「特定の装備やカラーにこだわりたい」…
そう考える方にとって、最後の手段となるのが「逆輸入」または「並行輸入」という方法です。
これは、海外市場向けに販売されている新型CR-Vを、専門の業者を通じて日本に輸入し、購入する方法です。
すでに北米などでは6代目のガソリンモデルやハイブリッドモデルが販売されているため、理論上はこれらのモデルを日本で手に入れることが可能です。
ただし、そのプロセスは非常に複雑です。
まず、海外で希望の車両を探し(新車または中古車)、購入手続きを行います。
その後、車両を日本へ輸送し、輸入通関手続き、排ガス検査や騒音検査といった日本の規制に適合させるための検査、ヘッドライトの光軸調整など保安基準に適合させるための改善作業、そして最終的に国内での車検登録という、多くのステップを踏む必要があります。
これらの手続きを個人で行うのは現実的ではないため、通常は「逆輸入車・並行輸入車専門店」と呼ばれる専門業者に依頼することになります。
これらの業者は、車両の選定から輸入手続き、国内での改善・検査、登録までを一貫して代行してくれます。
日本全国にこうした専門店が存在します。
メリットとしては、国内未導入のモデルやグレード、仕様をいち早く手に入れられること、選択肢の幅が広がることなどが挙げられます。
一方で、デメリットや注意点も少なくありません。
- コスト: 車両本体価格に加え、輸送費、各種手数料、検査・改善費用などがかかるため、同クラスの国産車や正規輸入車と比較して総額がかなり高くなる傾向があります。目安として、諸費用だけで100万円以上かかることも珍しくありません。中古の2019年式CR-Vハイブリッドが約593万円で販売されていた例もあります。
- 信頼性: 信頼できる業者を選ぶことが重要です。特に中古車の場合、車両の状態(走行履歴、修復歴など)を正確に把握する必要があります。カーファックス(CarFax)やオートチェック(AutoCheck)といったレポートが参考になります。
- 保証・メンテナンス: メーカー保証が適用されない場合が多く、メンテナンスや修理も、その車両に詳しい専門店に頼ることになります。部品の取り寄せに時間がかかる可能性もあります。
結論として、逆輸入・並行輸入は、コストや手間をかけてでも特定のCR-Vを手に入れたいという熱心なファンや、特別なニーズを持つユーザー向けの選択肢と言えます。
一般的なユーザーにとっては、2025年と噂されるホンダによる正規導入を待つのが現実的な選択となるでしょう。

まとめ:新型CR-Vフルモデルチェンジ【2025】
「新型 CR-V フルモデルチェンジ」は、ホンダの伝統あるSUVが次世代へと進化した姿を示しています。
日本市場においては、まずプラグイン燃料電池車「CR-V e:FCEV」という形で、その最先端技術が披露されました。
これは非常に革新的なモデルですが、リース専用販売という形態であり、広く一般ユーザーに行き渡るものではありません。
しかし、海外で高い評価を得ている6代目CR-V、特に力強く効率的な2.0L e:HEV(ハイブリッド)モデルの日本再導入が、2025年にも実現するのではないかという期待が大きく高まっています。
輸入車としての導入が有力視されており、価格設定が成功の鍵を握ることになりそうです。
さらに、スポーティな「RS」グレードの登場も噂されており、CR-Vの新たな魅力が加わる可能性も秘めています。
一方で、かつて設定されていた7人乗り仕様は、現行の6代目では見送られており、この点は一部のユーザーにとっては考慮すべき点となるでしょう。
どうしても早く、あるいは特定の海外仕様を手に入れたい場合は、逆輸入という選択肢もありますが、相応のコストと手間がかかることは覚悟が必要です。
「新型 CR-V フルモデルチェンジ」は、日本のSUV市場に新たな風を吹き込むポテンシャルを秘めています。
e:HEVモデルの正式な導入発表には、もうしばらく時間が必要かもしれませんが、その登場を心待ちにしているファンは多いはずです。
ホンダからの公式なアナウンスに、引き続き注目していきましょう。