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ヴェルファイア マイナーチェンジ 2025 最新情報!PHEVと進化の全貌

ヴェルファイア マイナーチェンジ
写真はイメージです。

トヨタが誇る最高級ミニバン、ヴェルファイア。

その圧倒的な存在感と至高の快適性は、多くのドライバーや同乗者を魅了し続けています。

2023年に40系へとフルモデルチェンジを果たし、デザイン、走行性能、先進技術のすべてにおいて大きな進化を遂げたヴェルファイアですが、市場の期待に応える形で、早くも2025年に向けた魅力的なマイナーチェンジが発表されました。

今回の「ヴェルファイア マイナーチェンジ 2025」における最大のトピックは、なんといっても待望のプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの追加です。

これにより、ヴェルファイアは卓越した環境性能と、これまで以上に力強く静かな走行性能を両立する、新たなステージへと進化を遂げます。

もちろん、既存のガソリンモデルやハイブリッドモデル(HEV)も一部改良を受け、装備の充実化が図られており、全方位での商品力向上が期待されます。

この記事では、2025年に実施されるヴェルファイアのマイナーチェンジに関する最新情報を徹底的に網羅し、その驚くべき進化の全貌と、新設定されたPHEVモデルを含む各グレードの魅力に深く迫ります。

ヴェルファイアの購入を具体的に検討されている方はもちろんのこと、最新のミニバン情報に関心のある自動車ファンの方々にとっても、必見の内容となっています。

この記事を読むと以下のポイントについて理解できます。

  • 2025年ヴェルファイア マイナーチェンジの具体的な変更点と進化のポイント
  • 新登場するヴェルファイアPHEVモデルの魅力的なスペックと特徴
  • 改良されたヴェルファイア各グレードの詳細な価格と装備内容
  • 気になるヴェルファイアの最新納期情報と購入時の注意点
目次

ついに登場!ヴェルファイア マイナーチェンジ 2025の全貌に迫る

2023年のフルモデルチェンジから約1年半という比較的短いスパンで実施される今回のマイナーチェンジは、ヴェルファイアが常に進化を追求し、最高級ミニバンとしての地位を揺るぎないものにしようとするトヨタの強い意志を感じさせます。

特にPHEVモデルの導入は、電動化が加速する現代において、ヴェルファイアの新たな価値を創造する大きな一歩となるでしょう。

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ヴェルファイア マイナーチェンジ 2025はいつ?発表・発売日情報

多くのファンが待ち望んでいた「ヴェルファイア マイナーチェンジ 2025」の詳細は、2024年12月にトヨタ自動車からアルファードと共に発表されました。

そして、具体的な発売スケジュールとしては、一部改良が施されたガソリン車およびハイブリッド車(HEV)モデルが2025年1月7日に、そして今回のマイナーチェンジのハイライトであるプラグインハイブリッド車(PHEV)モデルが2025年1月31日に、それぞれ販売を開始しています。

実は、当初の計画では初期ロットの生産が2024年6月までとされていましたが、生産時期が延長された影響で、一部改良の実施が2025年1月頃へと変更されたという背景があります。

近年の自動車業界全体が直面している半導体不足や国際情勢に起因する部品供給の不安定さといった課題が、このスケジュール調整に影響を与えた可能性は否定できません。

しかしながら、このような生産上の課題がある中でも、トヨタがヴェルファイアにPHEVという先進的なパワートレインを導入し、市場に投入するという決定は注目に値します。

これは、高級ミニバンセグメントにおけるリーダーシップを堅持し、ますます多様化する顧客のニーズや環境意識の高まりに真摯に応えようとする、トヨタの確固たる企業姿勢の表れと言えるでしょう。

外観はどう変わる?新色プレシャスメタルも

2025年のマイナーチェンジにおいて、ヴェルファイアの基本的なエクステリアデザインは、2023年に登場した40系の力強く精悍なスタイルがほぼそのまま継承されています。

40系ヴェルファイアは、「Forceful×IMPACT LUXURY」を共通のデザインテーマとしつつ、特にヴェルファイアは漆黒メッキを大胆かつ効果的にフロントマスクにあしらうことで、アルファードとの差別化を図り、よりアグレッシブで存在感のある表情を特徴としています。

今回のマイナーチェンジにおける外観上の大きな変更点として、ヴェルファイア専用の外板色として新たに「プレシャスメタル」が設定されたことが挙げられます。

この新色の追加により、ヴェルファイアが元来持つアグレッシブで挑戦的な印象が一層強調され、ボディカラーの選択肢は全3色となりました。

「プレシャスメタル」は、その名の通り貴金属のような深みと輝きを放ち、太陽光の当たり方や見る角度によって、シルバーの重厚な色調からダークな陰影まで、多彩で豊かな表情を見せる非常に魅力的なカラーです。

実際にこの新色を選んだユーザーからは、「実車を見たら想像以上に良い色だった」「この色を選んで正解だった」といった肯定的な評価の声も聞かれます。

その他のエクステリアに関する基本デザインや寸法(全長4995mm、全幅1850mm、全高1935mmまたは1945mm ※装着タイヤサイズにより異なる、ホイールベース3000mm)については、日本の道路事情や一般的な機械式駐車場のサイズ制限(特に全幅1850mm)に配慮した、従来型40系のディメンションが維持されています。

また、新たに追加されるPHEVモデルには、その先進性と上質さを象徴する専用装備として、品格を際立たせるシルバースパッタリング塗装が施された専用デザインの19インチアルミホイールが標準で装着されます。

今回のマイナーチェンジでは、エクステリアの造形自体に大きな変更は加えられていません。

しかし、新色「プレシャスメタル」の追加は、ヴェルファイアの個性を一層際立たせ、オーナーの所有満足度を高める上で非常に重要な要素となります。

PHEVモデル専用ホイールと併せて、細部へのこだわりによって特別感を演出しようとする意図が伺えます。

これは、頻繁なデザイン変更によるイメージの刷新よりも、現行モデルの完成度を高め、熟成と特別感の提供に重きを置くという、トヨタの製品戦略の一端を示しているのかもしれません。

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内装・装備の進化点

2025年モデルのヴェルファイアでは、内装の質感や装備面においても、さらなる快適性と利便性の向上が図られています。

まず、安全装備の充実という観点から、全グレードにおいて前後方の映像を記録できるドライブレコーダー機能を備えたデジタルインナーミラーが標準装備となりました。

これにより、万が一の事故やトラブル発生時の状況証拠としての役割はもちろんのこと、雨天時や夜間、あるいは後席に同乗者や荷物が多い状況下でも、クリアな後方視界を確保し、ドライバーの安全運転を力強くサポートします。

そして、今回のマイナーチェンジにおける内装・装備面の大きな進化点として、ヴェルファイアの主力グレードである「Z Premier」の商品力が大幅に強化された点が挙げられます。

具体的には、これまで最上級グレードの「Executive Lounge」などに限定的に設定されていた「JBLプレミアムサウンドシステム(15スピーカー)」および「14インチリヤシートエンターテインメントシステム」が、「Z Premier」グレードにも標準装備または設定が拡大されました。

これにより、「Z Premier」を選択するユーザーも、臨場感あふれる高品質なサウンドと、後席での多彩なエンターテインメント体験を存分に享受できるようになり、グレード全体の魅力と満足度が飛躍的に向上しています。

新たに追加されるPHEVモデル(Executive Loungeグレードに設定)では、内装に特別な設えが施されます。

手触りの良い本杢(ほんもく)を使用したステアリングホイールや、しっとりとした質感が特徴のウルトラスエードRを天井に採用することで、PHEVモデルならではの、さらに上質で特別な室内空間を演出し、オーナーの所有感を満たします。

内装色については、ヴェルファイア専用色として設定されている温かみのある「サンセットブラウン」と、定番でありながらも常に高い人気を誇る「ブラック」の2色が用意されています。

これらの内装色は、いずれもシート素材に採用されているプレミアムナッパ本革との組み合わせによって、高級ミニバンにふさわしい上質な空間を創り出しています。

特に「サンセットブラウン」は、カタログや写真で見る印象よりも実物は明るく、オレンジに近い華やかな雰囲気で、おしゃれな空間を演出するというユーザーからの評価も見受けられます。

40系ヴェルファイアのインテリアは、運転席に座るとまず目に飛び込んでくる12.3インチの大型TFTカラーメーターや、ダッシュボード中央に鎮座する大画面の14インチセンターディスプレイ、そしてグレードによってはカラーヘッドアップディスプレイなど、先進的なインフォテインメントシステムが大きな特徴です。

これらの装備は、ドライバーに必要な情報を分かりやすく表示するだけでなく、直感的な操作性も追求されており、まさに現代のラグジュアリーカーにふさわしいコックピット環境を提供します。

さらに、トヨタが初採用した「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」は、従来天井の各所に分散して配置されていた照明や各種スイッチ類、エアコンの吹出し口といった機能を、車両のセンターラインに沿って集約的に配置した画期的な装備です。

これにより、天井周りがすっきりとしたクリーンな印象になると同時に、後席のどのシートからでも各種機能へアクセスしやすくなり、操作性とデザイン性の両立を実現しています。

2025年 ヴェルファイア マイナーチェンジ 主要装備変更点

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項目2025年マイナーチェンジ後 (対象グレード)備考 (2025年1月以前との比較)
デジタルインナーミラー全車標準装備 (前後方ドラレコ付)新たに標準装備化
JBLプレミアムサウンドシステムZ Premier (15スピーカー)Z Premierは従来10スピーカーから15スピーカーへアップグレード、または新規標準装備
リアシートエンタメシステムZ Premier (14インチ)Z Premierに設定拡大/標準装備化
外板色プレシャスメタル追加 (ヴェルファイア専用)新色
PHEV専用内装Executive Lounge PHEV本杢ステアリング、ウルトラスエードR天井

今回のマイナーチェンジにおける「Z Premier」グレードの大幅な装備拡充は、単なる商品力向上に留まらず、トヨタの販売戦略上の重要な意味合いを持っていると考えられます。

実質的な中間グレードと位置づけられる「Z Premier」の価値を大きく引き上げることで、最上級グレードの「Executive Lounge」には手が届かないものの、極めて高い快適性や装備の充実度を求める顧客層への訴求力を格段に強化しています。

これは、一部改良に伴う価格改定(値上げの実施)に対する納得感を高めると同時に、より幅広いユーザー層にヴェルファイアの魅力を届けようとする狙いがあるのかもしれません。

PHEVモデル専用の特別な内装と合わせて、各グレード間のキャラクター分けをより明確にしつつ、ヴェルファイア全体の高級感を底上げする巧みな戦略と言えるでしょう。

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安全性は?ヴェルファイアのToyota Safety Sense

乗員だけでなく、周囲のすべての人々の安全を追求するトヨタの思想は、新型ヴェルファイアにも色濃く反映されています。

その中核をなすのが、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」であり、全グレードに標準装備されています。

この先進的な安全システムには、以下のような多岐にわたる機能が含まれています。

  • プリクラッシュセーフティ: 車両、歩行者(昼夜対応)、自転車運転者(昼夜対応)、自動二輪車(昼対応)を検知し、衝突の可能性が高いと判断した場合に警報を発し、ドライバーのブレーキ操作をアシスト。仮にブレーキが踏めなかった場合でも、自動でブレーキを作動させ、衝突回避または被害軽減をサポートします。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた高度な検知能力を誇ります。
  • レーントレーシングアシスト: 高速道路などで車線の中央を走行できるよう、ステアリング操作をアシストします。
  • レーンディパーチャーアラート: 車線逸脱の可能性を検知すると、警報やステアリング振動で注意を促し、逸脱抑制操作もサポートします。
  • レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付): 設定した車速内で、先行車との車間距離を保ちながら追従走行を支援。先行車が停止した場合は自車も停止し、先行車が発進すると簡単な操作で追従を再開します。
  • アダプティブハイビームシステムまたはオートマチックハイビーム: 夜間の視認性向上に貢献。AHSは先行車や対向車を眩惑させないよう、ハイビームの照射範囲を細かく自動制御します。
  • ロードサインアシスト: 道路標識をカメラで認識し、ディスプレイに表示することで見落とし防止をサポートします。
  • ドライバー異常時対応システム: ドライバーの無操作状態が継続した場合などに、段階的に警告し、最終的には車両を緩やかに減速・停車させ、事故の回避・被害軽減を図ります。
  • プロアクティブドライビングアシスト: 運転状況に応じてリスクを先読みし、危険に近づきすぎないようステアリングやブレーキ操作を穏やかにアシストします。
  • 発進遅れ告知機能: 前方車両の発進や信号の変化に気づかず停車し続けている場合に、音と表示で知らせます。

これらの機能に加え、Toyota Safety Senseは、交差点における複雑なシーンでの衝突回避支援(出会い頭の車両検知、右左折時の対向直進車や横断歩行者・自転車運転者の検知)や、システムが衝突の危険性が高いと判断し、ドライバーの回避操舵があった場合に車両安定性を保ちながら操舵支援を行う「緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)」など、より高度で多角的な安全運転支援を実現し、常に進化を続けています。

そして、2025年1月に行われた一部改良において、特に安全装備の機能向上として注目すべきは、全車にドライブレコーダー(前後方録画機能付)を備えたデジタルインナーミラーが標準装備された点です。

これは、従来のToyota Safety Senseが持つ予防安全機能に加えて、万が一の事態が発生した際の証拠保全能力を高めるとともに、日常運転における後方視界の向上にも寄与する実用的な装備です。

デジタルインナーミラーの全車標準化は、単なる装備追加以上の意味を持ちます。

40系ヴェルファイアに搭載されているToyota Safety Senseは、登場時点から極めて高機能なものでしたが、今回の改良は、より直接的にドライバーの安全運転を支援し、事故発生時の状況把握を容易にする装備を、グレードに関わらず全てのユーザーに提供するというトヨタの明確な意思表示です。

これは、高級車として求められる安全基準をさらに一段高いレベルへと引き上げようとする、トヨタの真摯な取り組みの表れと言えるでしょう。

ヴェルファイア マイナーチェンジの歴史

ヴェルファイアの進化の軌跡を理解するために、これまでのマイナーチェンジの歴史を簡単に振り返ってみましょう。

初代ヴェルファイア(20系)は、2008年に2代目アルファードの兄弟車として、より若々しくアグレッシブなデザインを纏って登場しました。

その斬新なスタイリングは市場に受け入れられ、一時期はアルファードを凌ぐ販売台数を記録したこともありました。

続く2代目、通称30系ヴェルファイア(2015年~2022年)は、2017年12月に大規模なマイナーチェンジを実施しました。

この改良では、エクステリアデザインが大幅に変更され、より精悍なフロントマスクへと進化するとともに、第2世代の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が全車に標準装備されるなど、安全性も大きく向上しました。

この2017年のマイナーチェンジが、30系ヴェルファイアの前期型と後期型を分ける大きな節目となっています。

30系ヴェルファイアはその後も、市場のニーズや技術の進化に合わせて細やかな改良が続けられました。

2018年10月にはインテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ<静止物>)が全グレードに標準装備され、駐車時の安全性が向上。

2019年12月にはスマートフォンとの連携を可能にした9インチのディスプレイオーディオ(DA)が標準装備となり、コネクテッド機能が強化されました。

さらに、特別仕様車として人気の高かった「GOLDEN EYES」シリーズが複数回にわたり設定され、カタログモデルとしてもラインナップされるなど、常に商品力の維持・向上が図られてきました。

そして、現行モデルである40系ヴェルファイアは、2023年6月に待望のフルモデルチェンジを果たしました。

この40系では、新開発のTNGAプラットフォーム(GA-K)が採用され、ボディ剛性の大幅な向上と低重心化を実現。

パワーユニットも刷新され、ヴェルファイア専用の2.4Lターボエンジンや進化した2.5Lハイブリッドシステムが搭載されました。

もちろん、予防安全装備「Toyota Safety Sense」も最新世代へと進化するなど、まさに劇的な進化を遂げ、高級ミニバンの新たな基準を打ち立てました。

ヴェルファイアのこれまでの歴史を俯瞰すると、トヨタが市場の反応や安全技術、環境技術の進歩に非常に敏感であり、それらを迅速に製品に反映させるため、比較的頻繁に商品力向上のための改良(特に安全装備の強化と内外装の質感向上)を実施してきたことが明確に見て取れます。

今回の2025年モデルのマイナーチェンジも、40系へのフルモデルチェンジから約1年半という、自動車のモデルサイクルとしては比較的短い期間で行われています。

そして、その内容はPHEV導入という非常に大きな変化を含んでおり、常に最新かつ最高の状態を顧客に提供し続けようとするトヨタの積極的な姿勢、そしてヴェルファイアというブランドに対する強い自信の表れと言えるでしょう。

大注目!ヴェルファイア マイナーチェンジ 2025のPHEVと各グレード詳細

2025年のヴェルファイア マイナーチェンジにおける最大の注目点は、やはりプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの登場です。

環境性能と走行性能を高次元で両立させるPHEVは、高級ミニバンの新たな可能性を切り拓く存在として期待されています。

ここでは、そのPHEVモデルの詳細なスペックや魅力、そして一部改良を受けた他のグレードについても詳しく見ていきましょう。

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PHEV登場!スペックと魅力を徹底解説

2025年1月31日、ついにヴェルファイアのラインナップに、待望久しいプラグインハイブリッド(PHEV)モデルが加わりました。

これは、兄弟車であるアルファードと共通のPHEVシステムを搭載し、ミニバンというカテゴリーにおいては、トヨタとして初めて市場に投入するPHEVとなります。

このPHEVモデルは、ヴェルファイアの最上級グレードである「Executive Lounge」に設定され、駆動方式は電気式4WDシステムのE-Fourのみとなります。

その心臓部には、高い熱効率を誇る2.5L直列4気筒ダイナミックフォースエンジン(A25A-FXS)をベースとした、トヨタ最新のシリーズパラレルプラグインハイブリッドシステムが搭載されています。

このシステムは、エンジンと高出力フロントモーター、そしてE-Fourを構成するリアモーターを緻密に協調制御することで、システム全体で実に225kW(306PS)という圧倒的なパワーを生み出します。

これにより、重量級のボディを感じさせない、力強く滑らかな加速性能を実現しています。

PHEVシステムの根幹をなす大容量のリチウムイオンバッテリーは、乗員の居住空間やラゲッジスペースを犠牲にすることなく、車両の床下中央という理想的な位置に搭載されました。

これにより、ハイブリッドモデル(HEV)と比較して約35mmもの低重心化が図られ、車両の運動性能向上と、より安定した上質な乗り心地に大きく貢献しています。

気になるEV走行換算距離は、WLTCモードで73kmを達成しています。

この数値は、日常的な買い物や送迎、近距離の通勤といった多くのシーンを、エンジンを始動させることなくEVモードのみで走行できる可能性を示しており、環境負荷の低減と燃料コストの削減に貢献します。

充電システムについては、家庭用の200Vコンセントなどで行う普通充電に加えて、外出先での利便性を高める急速充電にも対応しています。

急速充電を利用すれば、約38分という短時間でバッテリー総容量の約80%まで充電することが可能であり(※50kW以上の急速充電器使用時)、長距離移動の際にも安心してEV走行のメリットを享受できます。

PHEVならではの大きな魅力の一つが、充実した給電機能です。

新型ヴェルファイアPHEVは、最大1500W(AC100V)の電力を外部に供給できる機能を標準で装備しています。

車内にはセンターコンソールボックス後端とラゲージスペース内にアクセサリーコンセントが設けられており、さまざまな家電製品を使用できます。

さらに、付属のヴィークルパワーコネクターを車両の充電インレットに接続することで、車外でもAC100V/1500Wの電力を利用可能です。

これにより、キャンプなどのアウトドアレジャーはもちろんのこと、停電や災害といった非常時にも、ヴェルファイアを頼れる電源として活用することができます。

加えて、ヴェルファイアPHEVは、クルマに蓄えた電力を住宅に供給するV2H(Vehicle to Home)システムにも対応しています(※別途V2H対応機器が必要)。

これにより、太陽光発電システムと連携させたり、電力需要のピークシフトに貢献したりと、エネルギーをより賢く活用するライフスタイルを実現できます。

走行モードとは別に、給電専用のモードも設定されています。

バッテリーの電力のみを使用する「EV給電モード」と、バッテリー残量が一定値を下回るとエンジンを始動して発電し、給電を継続する「HV給電モード」です。

特にHV給電モードでは、バッテリーが満充電かつガソリンが満タンの状態であれば、一般家庭の約5.5日分に相当する電力を供給することが可能とされており、万が一の際の安心感を大きく高めてくれます。

さらに、充電中に外部電源を利用してエアコンやオーディオシステムなどを使用できる「マイルームモード」も搭載。

エンジンをかけることなく車内で快適に過ごせるため、テレワークのスペースとして活用したり、仮眠や休憩を取ったりする際にも非常に便利です。

PHEVモデルであることを視覚的にもアピールするため、エクステリアおよびインテリアには専用の装備が与えられています。

エクステリアでは、前述のシルバースパッタリング塗装が施された19インチアルミホイールがPHEV専用デザインとなります。

インテリアでは、Executive Loungeの上質な空間をさらに昇華させるべく、本杢を使用したステアリングホイールや、高級感あふれるウルトラスエードR貼りの天井などが標準で装備されます。

新型ヴェルファイア PHEVモデル 主要スペック

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項目スペック
パワートレイン2.5L シリーズパラレルプラグインハイブリッドシステム (A25A-FXS)
システム最高出力225kW (306PS)
エンジン最高出力140kW (190PS)/6000rpm (参考:HEV同型エンジン)
フロントモーター最高出力134kW (182PS) (参考:HEV同型モーター)
リヤモーター最高出力 (E-Four)40kW (54PS) (参考:HEV同型モーター)
駆動方式E-Four (電気式4WDシステム)
EV走行換算距離 (WLTC)73km
ハイブリッド燃費 (WLTC)16.7km/L
バッテリー種類大容量リチウムイオンバッテリー
充電時間 (急速充電)約38分 (満充電量の約80%)
外部給電機能最大1500W (AC100V) 標準装備
V2H対応対応 (要別売り機器)

ヴェルファイアへのPHEV技術の導入は、トヨタが推進する電動化戦略における極めて重要なマイルストーンであり、高級ミニバンというカテゴリーに新たな価値基準を提示するものです。

単に燃費性能を向上させるだけでなく、EV走行による圧倒的な静粛性と滑らかな加速感、そして1500Wの外部給電能力やV2H対応といった実用的な機能による利便性の大幅な向上、さらにはPHEV専用の内外装装備による特別感の演出は、これまでのミニバンユーザーとは異なる、新たな価値観を持つ富裕層のニーズを掘り起こす大きな可能性を秘めています。

特に、自然災害が頻発する日本市場において、移動手段であるクルマが非常用電源としても機能するという点は、ユーザーにとって計り知れない安心感をもたらし、強力な訴求ポイントとなることは間違いないでしょう。

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ハイブリッドの進化点と燃費・走行性能

PHEVモデルの登場が大きな話題となっていますが、もちろん既存のハイブリッドモデル(HEV)も着実な進化を遂げています。

40系ヴェルファイアのHEVモデルは、高効率な2.5Lダイナミックフォースエンジン(A25A-FXS)と、より小型軽量化され、性能が向上したトヨタのハイブリッドシステム(THSⅡ)を組み合わせています。

このパワートレインが生み出すシステム全体の最高出力については、トヨタから公式な数値は発表されていませんが、エンジンの最高出力が140kW(190PS)/6000rpm、フロントモーターの最高出力が134kW(182PS)と公表されており、電気式4WDシステムのE-Four車では、さらにリアに最高出力40kW(54PS)のモーターが加わります。

これらのエンジンとモーターが緻密に連携することで、ヴェルファイアの大きなボディを余裕をもって加速させ、力強くも滑らかな走行フィールを実現しています。

気になる燃費性能(WLTCモード)は、最上級グレードのExecutive Lounge (HEV・FF)で17.5km/L、同グレードのE-Fourで16.5km/Lとなっています。

また、Z Premier (HEV・E-Four)では16.7km/Lという優れた数値を達成しています。

これらの数値は、車両重量2トンを超える大型ミニバンとしては非常に優秀であり、経済性と環境性能の両立を高いレベルで実現していると言えるでしょう。

そして、2025年モデルのHEVにおける注目すべき進化点として、「先読みEV/HEVモード切り替え制御」が新たに採用されたことが挙げられます。

このシステムは、ナビゲーションシステムで目的地を設定すると、その経路上の勾配や交通状況、高速道路か一般道かといった走行負荷を先読みし、バッテリーの充放電を最適に制御します。

例えば、下り坂が続く区間では積極的に回生ブレーキで充電量を増やし、その先の市街地区間ではEV走行の比率を高めるなど、システムが自動で判断し、最も効率的なタイミングでEV走行とHEV走行を切り替えることで、実用燃費のさらなる向上に貢献します。

ヴェルファイアは、兄弟車であるアルファードと比較して、より「走り」を意識したキャラクターが与えられています。

そのために、ボディ剛性を高めるための専用パーツ(フロントパフォーマンスブレースなど)が追加装備されており、サスペンションのセッティングも専用のものが施されています。

これにより、ステアリングを切った際の車両の応答性が向上し、よりダイレクトで正確なハンドリングフィールが得られると同時に、高速走行時やコーナリング時の安定性も高められています。

実際に試乗したユーザーや自動車評論家からは、アルファードよりもステアリング操作に対する反応がクイックで、旋回性能が高いといった評価も聞かれます。

HEVモデルにおける「先読みEV/HEVモード切り替え制御」の採用は、ハードウェアの大幅な変更を伴わずに、ソフトウェアの進化によって燃費性能を向上させるという、非常にクレバーなアプローチです。

これにより、既に高い完成度を誇るヴェルファイアのハイブリッドシステムの実力をさらに引き出し、ユーザーにとってより経済的で、かつ環境にも配慮した運転体験を提供することが可能になります。

ヴェルファイアが持つスポーティな走行性能という個性は、PHEVモデルという新たな選択肢の登場によって、さらに多様な「走り」の楽しみ方をユーザーに提供することになるでしょう。

グレード別価格と装備一覧

2025年1月に行われた一部改良およびPHEVモデルの追加に伴い、ヴェルファイアの各グレードの車両本体価格にも改定が行われました。

以下に、主要グレードのパワートレイン、駆動方式、主要なスペック、そして価格をまとめました。

  • ヴェルファイア Z Premier (2.4L ガソリンターボエンジンモデル):
  • 駆動方式: 2WD (FF) / 車両本体価格: 6,700,000円(消費税込)
  • 駆動方式: 4WD / 車両本体価格: 6,898,000円(消費税込)
  • エンジン: T24A-FTS型 2.4L 直列4気筒インタークーラー付ターボ
  • 最高出力: 205kW (279PS) / 6000rpm
  • 最大トルク: 430N・m (43.8kgf・m) / 1700-3600rpm
  • 燃費 (WLTCモード): 2WD 10.3km/L, 4WD 10.2km/L
  • ヴェルファイア Z Premier (2.5L ハイブリッドモデル HEV):
  • 駆動方式: E-Four (電気式4WDシステム) / 車両本体価格: 7,270,000円(消費税込)
    • 注: 2WDモデルの設定については、一部情報源 で言及がありますが、トヨタ公式サイト ではE-Fourのみの記載となっているため、本記事では公式情報を優先しています。
  • パワートレイン: A25A-FXS型 2.5L 直列4気筒エンジン + THSⅡ (トヨタハイブリッドシステム)
  • エンジン最高出力: 140kW (190PS) / 6000rpm
  • 燃費 (WLTCモード): 16.7km/L (E-Four)
  • ヴェルファイア Executive Lounge (2.5L ハイブリッドモデル HEV):
  • 駆動方式: 2WD (FF) / 車両本体価格: 8,800,000円(消費税込)
  • 駆動方式: E-Four (電気式4WDシステム) / 車両本体価格: 9,020,000円(消費税込)
  • パワートレイン: A25A-FXS型 2.5L 直列4気筒エンジン + THSⅡ
  • エンジン最高出力: 140kW (190PS) / 6000rpm
  • 燃費 (WLTCモード): 2WD 17.5km/L, E-Four 16.5km/L
  • ヴェルファイア Executive Lounge (2.5L プラグインハイブリッドモデル PHEV):
  • 駆動方式: E-Four (電気式4WDシステム) / 車両本体価格: 10,850,000円(消費税込)
  • パワートレイン: A25A-FXS型 2.5L 直列4気筒エンジン + プラグインハイブリッドシステム
  • システム最高出力: 225kW (306PS)
  • ハイブリッド燃費 (WLTCモード): 16.7km/L (E-Four)
  • EV走行換算距離 (WLTCモード): 73km

各グレードの主要装備の違いについては、前述の「h3-3: 内装・装備の進化点」や、後述する「h3-9: 最上級!新型ヴェルファイア エグゼクティブラウンジの魅力」で詳しく触れますが、エクステリアの分かりやすい違いとしては、アルミホイールのデザインが挙げられます。

「Z Premier」グレードには切削光輝とブラック塗装を組み合わせた19インチアルミホイールが、「Executive Lounge」のHEVモデルには品格のあるシルバースパッタリング塗装の19インチアルミホイールが、そしてPHEVモデルには専用デザインのシルバースパッタリング塗装19インチアルミホイールがそれぞれ標準装備されます。

ヴェルファイア 2025年モデル グレード別主要スペック・価格比較

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グレードパワートレイン駆動方式システム最高出力/エンジン最高出力燃費(WLTC)EV走行距離(WLTC)価格(税込)
Z Premier2.4L ターボガソリン2WD205kW (279PS)10.3km/L6,700,000円
Z Premier2.4L ターボガソリン4WD205kW (279PS)10.2km/L6,898,000円
Z Premier2.5L HEVE-Four140kW (190PS) (エンジン)16.7km/L7,270,000円
Executive Lounge2.5L HEV2WD140kW (190PS) (エンジン)17.5km/L8,800,000円
Executive Lounge2.5L HEVE-Four140kW (190PS) (エンジン)16.5km/L9,020,000円
Executive Lounge2.5L PHEVE-Four225kW (306PS) (システム)16.7km/L73km10,850,000円

2025年モデルのヴェルファイアのグレード構成と価格設定からは、トヨタが各パワートレインとグレードで、それぞれ明確なターゲット顧客層を設定していることが鮮明に読み取れます。

「Z Premier」グレードは、今回のマイナーチェンジでJBLプレミアムサウンドシステムや14インチリヤシートエンターテインメントシステムといった魅力的な装備が標準化(または設定拡大)されたにも関わらず、ガソリンターボモデルで600万円台後半から、HEVモデルで700万円台前半からという、比較的手の届きやすい価格帯を維持しており、幅広い層のユーザーにその高い価値をアピールしています。

一方、最上級グレードの「Executive Lounge」は、HEVモデルで800万円台後半から、そして新たに追加されたPHEVモデルでは1000万円を超える価格設定となり、さらなる高級感、先進性、そして環境性能を求める、よりエクスクルーシブな顧客層のニーズに応える構えです。

特にPHEVモデルの価格は、これまでのヴェルファイアの価格帯を大きく超えるものであり、ヴェルファイアが国産高級ミニバンという枠を超え、新たな高級車の領域へと足を踏み入れたことを明確に示唆しています。

この戦略的な価格設定とグレード展開は、多様化する市場の要求に応えつつ、ヴェルファイアブランド全体の価値をさらに高めようとするトヨタの意欲の表れと言えるでしょう。

写真はイメージです。

最上級!エグゼクティブラウンジの魅力

ヴェルファイアのラインナップにおいて、揺るぎない頂点に君臨するのが「Executive Lounge」グレードです。

このグレードは、単にオーナーが運転を楽しむためのクルマというだけでなく、大切なゲストをもてなすショーファードリブンとしての利用も十分に想定されており、まさに「走るスイートルーム」とも言うべき、至高の移動空間を提供します。

その魅力の核心は、何と言っても2列目シートにあります。

「エグゼクティブラウンジシート」と名付けられたこのシートは、厳選されたプレミアムナッパ本革を惜しみなく使用し、見た目の美しさだけでなく、吸い付くような極上の座り心地を実現しています。

機能面でも至れり尽くせりで、電動で伸縮するパワーオットマン(体格に合わせて長さを調整できる伸縮機構付)、ゆったりと腕を預けられる大型アームレスト(カップホルダーと収納スペースを内蔵)、そして必要な時にだけスマートに取り出せる回転格納式のテーブル(天板には防汚処理が施され、裏面にはバニティミラーも装備)などが備わります。

さらに、マッサージ機能に匹敵するリフレッシュシート機能や、寒い日でも快適な快適温熱シート(オットマン部分やアームレストにもヒーターを内蔵)、暑い日でも蒸れを防ぐベンチレーションシートなど、季節や乗員の好みに合わせて最適な快適性を提供する機能が満載です。

インテリアの加飾にも、最上級グレードならではのこだわりが見られます。

ステアリングホイールやインストルメントパネル、そしてドアトリムなどには、「UZURAMOKU」と呼ばれる特別な木目調加飾が用いられています。

これは、銘木として知られる屋久杉の希少な「うずら杢」をモチーフとしたもので、自然が生み出す複雑で美しい木目を高度な技術で再現し、室内に独特の高級感と落ち着きをもたらします。

内装色は、シックで引き締まった印象の「ブラック」と、ヴェルファイア専用色で温かみのある「サンセットブラウン」の2色から選択可能です。

そして、2025年モデルで新たに設定されたPHEVモデルの「Executive Lounge」では、この上質な空間がさらに特別なものへと昇華されています。

標準装備として、触れるたびに心地よさを感じる本杢を使用したステアリングホイールや、しっとりとした肌触りと高い質感を誇るウルトラスエードRをルーフライニング(天井の内張り)に採用。

これにより、視覚的にも触覚的にも、PHEVモデルならではの格別の空間が提供され、オーナーの所有感を最大限に満たします。

快適装備の充実ぶりも「Executive Lounge」ならではです。

前席左右だけでなく後席の左右でも独立して温度設定が可能なフルオートエアコン、トヨタ初採用となる電動昇降タイプの後席用パワーサイドサンシェード(遮光しつつ景色も楽しめるよう、任意の位置で停止可能)、そして天井中央に集約された「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」には、多彩な色と明るさを調整できるLEDルーフカラーイルミネーションが組み込まれ、気分やシーンに合わせた車内空間の演出が可能です。

オーディオシステムには、15個のスピーカーを最適に配置した「JBLプレミアムサウンドシステム」が標準装備され、コンサートホールのような臨場感あふれるサウンドを実現。

後席の乗員を楽しませる「14インチリヤシートエンターテインメントシステム」ももちろん標準で備わります。

一方で、近年のデジタル化の流れを反映し、2025年1月の一部改良において、CD/DVDデッキはオプション設定からも廃止された可能性が指摘されています(の動画情報による。トヨタからの公式発表ではこの点に関する明確な言及は見当たりませんでした)。

もしこれが事実であれば、車内でのエンターテイメントの楽しみ方が、物理メディアからストリーミングサービスやスマートフォン連携へと完全に移行しつつある時代の変化を象徴していると言えるでしょう。

「Executive Lounge」は、単なる移動手段としてのクルマの枠を超え、乗員が車内で過ごす時間そのものの価値を極限まで高めることを目指して開発されています。

特に、環境性能と圧倒的な静粛性、そして最上の質感を兼ね備えたPHEVモデルの追加と、その専用内装の採用は、これまでの高級ミニバンとは一線を画す新たな価値を求める顧客層に対して、極めて強力なアピールとなるはずです。

現行からの変更点を整理

2025年のマイナーチェンジ内容をより深く理解するために、まず現行の40系ヴェルファイアが、その前の30系からどのような進化を遂げたのかを整理しておきましょう。

2023年6月に市場に投入された40系ヴェルファイアは、まさにフルモデルチェンジと呼ぶにふさわしい、全面的な刷新が図られました。

その基盤となるプラットフォームには、トヨタの新世代アーキテクチャであるTNGAプラットフォーム(GA-K)が採用されました。

これにより、ボディ剛性は先代の30系と比較して約50%も向上し、操縦安定性の飛躍的な向上と、路面からの不快な振動を効果的に抑制する上質な乗り心地を高次元で両立させることに成功しました。

パワートレインに関しても大きな変革がありました。

30系まで設定されていた3.5L V6ガソリンエンジンが廃止され、ヴェルファイア専用のパワフルなパワーユニットとして、2.4L 直列4気筒ターボエンジン(T24A-FTS)が新たに採用されました。

このターボエンジンは、低回転域から力強いトルクを発生し、アクセル操作に対するレスポンスの良さが特徴です。

一方、ハイブリッドシステムも、熱効率に優れた2.5Lダイナミックフォースエンジン(A25A-FXS)をベースとした最新世代のTHSⅡへと刷新され、よりスムーズで効率的な走行性能を実現しています。

エクステリアデザインにおいては、兄弟車であるアルファードが「豪華・勇壮」をテーマに、よりフォーマルで威厳のあるスタイリングを追求しているのに対し、ヴェルファイアは一貫して「大胆・不敵」をテーマとし、アグレッシブで押し出し感の強い、個性的なフロントマスクを特徴としています。

この明確なキャラクター分けは、40系においても継承されています。

インテリアでは、ドライバーオリエンテッドなコックピットデザインが採用され、12.3インチのフル液晶TFTカラーメーターと、センターコンソールに配置された大型の14インチディスプレイオーディオPlusが全グレードに標準装備されるなど、先進性と操作性が大幅に向上しました。

このように、40系ヴェルファイアは、プラットフォームからパワートレイン、内外装デザイン、先進装備に至るまで、あらゆる面で30系から大きな進化を遂げて登場しました。

そして、今回の2025年1月に行われたマイナーチェンジは、この完成度の高い40系をベースとして、さらにその魅力を高めるための改良が施されたものです。

主な変更点を改めて整理すると、以下のようになります。

  1. プラグインハイブリッド(PHEV)モデルの新規追加:環境性能と動力性能を新たな次元で両立。
  2. 「Z Premier」グレードの装備充実:JBLプレミアムサウンドシステム(15スピーカー)と14インチリヤシートエンターテインメントシステムが標準装備(または設定拡大)され、商品力が大幅に向上。
  3. 安全装備の強化:全グレードにデジタルインナーミラー(前後方ドライブレコーダー付)が標準装備。
  4. 外板色の追加:ヴェルファイア専用の新色として「プレシャスメタル」が登場。
  5. HEVモデルの進化:「先読みEV/HEVモード切り替え制御」の採用により実用燃費を向上。

40系へのフルモデルチェンジ自体が、ヴェルファイアにとって非常に大きな変革でしたが、そこからわずか1年半という短い期間で実施された2025年のマイナーチェンジは、その完成度をさらに磨き上げ、特に電動化戦略の推進と先進装備の拡充によって、商品力を一層強化するものです。

中でもPHEVモデルの追加は、40系ヴェルファイアが元来秘めていた高いポテンシャルを最大限に引き出し、高級ミニバン市場における新たなスタンダードを築き上げるための、極めて重要なステップと言えるでしょう。

写真はイメージです。

新型ヴェルファイアは買えない?予約状況と最新納期情報

新型ヴェルファイアは、2023年6月の発売直後から、その圧倒的な商品力と市場からの高い期待を背景に、注文が殺到しました。

その結果、一時期は納車までに約2年を要するといった情報も流れるなど、依然として「欲しくてもなかなか買えない」という状況が続いています。

多くのトヨタディーラーでは、新規の予約受付を一時的に停止しているか、あるいは予約を受け付けていても具体的な納期が見通せない、受注再開時期が未定であるといった対応が取られているのが現状です。

この深刻な納期遅延の主な原因としては、世界的な規模で発生している半導体の供給不足、新型コロナウイルスのパンデミックに端を発した国際的な部品供給網の混乱、そして何よりも新型ヴェルファイアに対する市場からの爆発的な需要の急増が挙げられます。

2025年5月時点での情報によれば、もし幸運にも注文ができた場合でも、納車までの期間の目安としては、ガソリン車で約6ヶ月から7ヶ月程度、ハイブリッド車(HEV)では約7ヶ月から8ヶ月程度とされています。

しかし、これはあくまで目安であり、特に人気の高いグレード(とりわけ最上級のExecutive Lounge)は依然として受注停止中であるディーラーも多く、さらに長い納期となる傾向が見られます。

トヨタ自動車もこの状況を重く見ており、生産体制の回復に合わせて段階的な受注再開と納期短縮を目指す方針を示しています。

実際に、2025年に入ってからは生産能力の増強や、今回新たに追加されたPHEVモデルの生産開始に伴う生産ラインの体制見直しなども行われており、状況改善への努力が続けられています。

その結果、発売当初と比較すると、わずかながら納期が短縮される傾向も見られるという声も聞かれますが、依然として通常の納期と比較すると大幅に長い期間を要する状況であることに変わりはありません。

これから新型ヴェルファイアの購入を検討される場合は、まずトヨタの公式サイトで最新の納期情報や受注状況を確認することが不可欠です。

その上で、複数のトヨタディーラーに根気強く問い合わせを行い、予約待ちリストへの登録が可能かどうか、あるいは抽選販売などの特別な販売方法が実施されていないかなどを確認することをおすすめします。

また、トヨタが提供するサブスクリプションサービス「KINTO」を利用することで、通常の購入ルートよりも比較的早く車両を入手できる可能性も一部で示唆されていますので、選択肢の一つとして検討してみる価値はあるでしょう。

新型ヴェルファイアの購入は、依然として高いハードルが存在する困難な状況であると言わざるを得ません。

しかし、PHEVモデルという魅力的な選択肢の追加や、トヨタによる生産体制の見直しといった動きは、わずかながらも状況改善への期待を抱かせるものです。

一方で、この長期にわたる納期遅延は中古車市場にも大きな影響を与えており、状態の良い40系ヴェルファイアの中古車が、新車価格に近い、あるいはそれを超えるような価格で取引されるケースも散見されます。

購入を希望される方にとっては、最新情報を丹念に追い続け、ディーラーとの密なコミュニケーションを保ち、そして複数の選択肢を視野に入れて柔軟に対応していくという、粘り強さが求められる状況が続きそうです。

しかし、見方を変えれば、この深刻な品薄状態は、新型ヴェルファイアがいかに市場から渇望され、その価値が高く評価されているかの明確な証左であるとも言えるでしょう。

まとめ:ヴェルファイア マイナーチェンジ 2025

  • 2025年1月にヴェルファイアがマイナーチェンジを実施
  • 最大の注目はPHEVモデルの新設定である
  • PHEVはシステム出力225kW、EV航続73kmを実現
  • PHEVは急速充電、1500W外部給電、V2Hに対応
  • HEVモデルには先読みEV/HEVモード切り替え制御採用
  • ガソリンターボモデルも継続設定される
  • 外板色にヴェルファイア専用「プレシャスメタル」追加
  • 全車デジタルインナーミラー(前後ドラレコ付)標準装備
  • Z PremierにJBLサウンドと14型リアエンタメ標準化
  • Executive Loungeは最上級の快適性と装備を誇る
  • PHEVのExecutive Loungeは専用内装でさらに上質
  • 価格は670万円から1085万円の範囲となる
  • 依然として納期は長く、入手困難な状況が続く
  • 購入にはディーラーへのこまめな確認が不可欠
  • ヴェルファイアは進化を続け、高級ミニバンの頂点を目指す
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